先日、ある企業様にメルマガのアドバイスにお邪魔してきました。今日はそのときの話をシェアしたいと思います。
メルマガの大ファンだという担当者さんからお声がけいただき、新宿のとあるビルにお邪魔しました。水道橋のオフィスからは電車で数十分。受付を済ませ、担当者さんを待ちます。
私が打ち合せにかける時間は1時間程度。「ヒアリング重視」というスタンスをとっているため、始めの30分くらいは相手に話してもらいます。その中に、問題や解決策の多くが眠っています。
ヒアリングを一通りをおこない、方向性が見えてきました。やるべき事はただ一つ。セグメント配信です。
営業部とメルマガ編集担当とのジレンマ
リストは数万件あるのですが、全配信しかしていません。全配信をしていると「不要な情報」だと感じる人が出てきます。
不要な情報だと感じた瞬間メルマガへの期待値が下がります。それを繰り返していると悪循環に陥ります。
結果を出すために、メルマガの回数を増やす。もしくは、煽り文句を入れる。そしてまた、悪循環に陥るのです。
担当さんは私のメルマガを愛読してくださっているので、すぐに「セグメント配信」に賛同してくださいました。しかしぽつりと一言「でも、それは出来ません……」というのです。
なぜ、賛同できるののに、実行できないのか聞いてみると、いつもの回答が出てきました。
担当さん:
「メルマガをセグメントすると配信数が減りますよね?」
平野:
「はい。もちろん」
担当さん:
「弊社のメルマガは、広告の売上げが高いんです。
配信通数に比例して広告料金が上がります。
配信通数を減らすと広告の収益が減るので、
営業のセクションからの風当たりが強いんです……」
平野:
「でも、このまま続けると効果がどんどん落ちますよ」
担当さん:
「はい……その話はしたことがあるんですが、
じゃあ、減った売上げは何で賄うんだ!
と、強い口調で言われるんです」
平野:
「よく分かります。
でも、営業部を説得するしかないと思います。
媒体価値を高めないと、このまま悪くなる一方です」
担当さん:
「でも……」
じつは、メルマガ制作と営業の部署が明確に分かれている場合、同じ問題に陥るケースがあります。
セグメント配信とは、受信者に対する「配慮」
じつはクライアントの元に伺った前の月だけでも、別の2社から同じ話を聞きました。担当者もジレンマを感じているようですが、なかなか解消できないようです。
たまに「どんどん悪くなったときの数値などありますか?」といわれるのですが、それは存在しません。悪くなるのを避けるために、コンサルティングに入るので……。
たとえば、ホテルを斡旋する会社があったとします。相手がビジネスホテルの予約のために使っていることが明白だったとしても、セグメント配信が出来ない場合、温泉宿などの情報を中心に送ってしまうかもしれません。
相手のニーズに合っていないわけですから、心が離れて当然です。
他に同程度のサービスを提供している企業があれば、そちらに心映りをしてしまいます。逆に、類似するサービスがなければとどまってもらえる
可能性が高いのです。自社に競合がいるかどうか、把握すべきです。
セグメント配信で、無駄な不快感を排除!
すべてをセグメント配信する必要はありません。ただし、出来るときにはすべきなのです。
たとえば、来月大阪に行く予定がありますがその話をするときには、関西地区の方だけにご案内を送ります。編集後記などに「関西に行きます」と書けば、どの地区の人にも「関西にいくんだぁ~」という印象になります。
しかし、「関西に行くので会いませんか?」と書けば、他の地区の方からすると「関西じゃないから会えないよ!!!」と不快感を募らせることになるかもしれません。
メルマガのどの場所に書くのかによっても印象が違う、ということです。